秋の夜長の古民家めぐり〜とっぴんぱらりのぷう〜

ライトアップ
久々の更新になります。皆さんお元気でしょうか?
朝晩の気温が涼しくなり秋の気配が濃くなる頃、日の入りとともに鈴虫やコオロギの鳴き声が聞こえてくるようになりました。
近頃のコンクリート舗装道路やマンションが増えた町中では、雑木林やちょっとした草村が減り、虫の声を聴くこともめっきり少なくなったと気がつきます。

小田急線向ヶ丘遊園駅から歩いて10分ほどの距離にある川崎市立日本民家園は、生田緑地に隣接した広大な土地に、東日本の代表的な民家をはじめ、水車小屋、船頭小屋、高倉、農村歌舞伎舞台など20数軒もの建物を見ることができる野外博物館です。

10月最初の週末は夜のライトアップが行われ、古民家の窓からこぼれる灯りとぼんやりと浮かぶ家々のシルエットを巡りながら秋の夜長を楽しむことができます。
園内は宿場、信越の村、関東の村、神奈川の村、東北の村、といったエリアに分かれ、各地の変化に富む地形、資源、気候風土に合わせた建築様式の民家があります。
が、なんと!ライトアップエリアは宿場と信越の村まで。
え、そうだったのですかー!全部を見られないなんて−!
愕然としたものの、予想以上の園内の広さと、古民家の密度の高さに驚き、夕方から訪れた己を反省。即、年間パスポートを買って次回また出直すことに。
道
それでも見応え充分。ゆっくり家屋内部を見学し、一軒一軒にいらっしゃるガイドの方々のお話を伺ったり、囲炉裏の火に当たりながら大きな梁を眺めていると、あっという間に時は過ぎてしまいます。
面白いと思ったのは神棚がいくつも並んだ居間。参拝神社ごとに形状の異なる複数の神棚をしつらえて、家族のお願いごとをしていたのでしょうねえ。笑
神棚

富山県から移築されたこのお家では、機織りの実演が行われていました。
民家の上層階に蚕を飼い養蚕業を営む家庭も多かったようです。
機織り機で糸を紡ぐ優しいカタカタという音は自然と気持ちが穏やかになりますね。
機織り 牛梁
見上げると立派な牛梁。牛の背骨の形に似ていることからそう呼ばれる梁の組み方で、斜面に育つ大きな木の根元の緩やかなカーブをそのまま利用しています。自然の中で形成された材を使うのが一番長持ちするのだとか。
わらじ2
これは火棚(ひたか)。雪の多い地方にはよく見られる作りで、囲炉裏の上に棚を吊るし、濡れたわらじを置いて乾かすためのものです。食料を乾燥させたり煙が虫除けにもなる生活の知恵です。
板葺き屋根 板葺き屋根2
こちらのお宅は石置きの板葺き屋根。栗の木が使われています。長野県の豊富な資源となっていた栗の木を活用した民家です。
決して貧しかったからという理由ではないよ。とはガイドの方。
地産地消、古くから日本では当たり前の発想だったのですね。
DSCF0308
さあ、立派な茅葺き屋根のある旧山田家ではそろそろ万華鏡の昔話が始まります。ボランティア活動団体「多摩区ストーリーテリングおはなし万華鏡」の語り部のおふたりがゆっくり語り出します。
板の間で囲炉裏を囲んで、鈴虫と火のはぜる音を聞きながら、じーっと耳を傾けていると本当にむかしむかしの世界に入り込んでいくようです・・・。

「―とっぴんぱらりのぷう」

長い吐息のような呼吸を置いてお話が終わると、こんな呪文のような言葉が飛び出しました。これは秋田に伝わる昔話の結語で、「めでたしめでたし」といった意味があるようです。もうひとつのお話は「どっとはらい」で終わります。青森に伝わる昔話の結語です。リズムがあって面白いですね。(お話に夢中で題名を聞きそびれました。ごめんなさい。笑)

夜の古民家巡りに昔話、ちょっと異空間に迷い込んだかのような幻想的な、だけどどこか懐かしい記憶に触れるような不思議な心地良さを残して家路につきましたしたとさ。
とっぴんぱらりのぷう
昔話し

文/市川紀子

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